西日本実業柔道連盟
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活動内容
フランス柔道調査視察事業報告
7.大会運営主要大会は次の通り
フランス国内大会の模様
(上)試合会場(黄色の18畳が試合場)
(下左)大会本部 (下右)大会本部の一角で質疑

国内の主な大会
1月:フランス体重別個人選手権
2月:パリ国際大会
6月:フランス団体2部など
11月:フランス団体1部
12月:フランス個人2部

今回の国内大会は6月12、13両日にわたり、女子2部の団体、男子3部の団体と個人戦が「ワールド柔道センター」で行われた。試合会場は6試合場設営され、黄色の18畳が試合場(場内)で、場外部分は緑色の畳である。ビデオカメラ6台、テレビカメラ5台がそれぞれの試合場に備えられ、判定材料などに使われ、データとして保存される。試合会場のレイアウトは、漢字の「凹」型で、へこんでいる部分が大会本部となっている。試合の模様はインターネットを通じて実況中継され、アクセス数は1日あたり1万件(パリ国際大会の場合は1日に17万件)を超える人気。これにかかる経費は8000ユーロ(約90万円)。今後は広告も取り入れ、拡大する計画を立てている。

メダル授与の様子
優勝チームにメダルを授与する山本団長
☆フランスで最高位にランクされる「フランス体重別個人選手権」の出場資格
毎年1月に開催されるこの大会の1部に出場できる選手は、フランスの4つのゾーンの1部の試合でベスト4になった選手16名と、2部で決勝進出した2名の選手8名。それに前年度の大会の1部でベスト8になった選手8名、合わせて32名の選手が出場し、熱戦を繰り広げる。
8.審判と競技運営
子供用審判ライセンス
子供用審判ライセンス
新しい審判規定の改定は、日本柔道が基本となって出来たものであり、本来の柔道の姿を取り戻す役目を果たしてくれると受け止めていた。現在、審判員のライセンスを持っているのは男子3600名(内、1070名が子供の審判を含む初級審判員)、女子は700名(内281名が子供の審判を含む初級審判員)である。

ユニークなのはクラブの指導者が、11歳以上の子供たちに審判員のテストを実施し、合格すれば審判のライセンスを与えることができることである。子供達の審判員制度は2年前から始め、自らが所属する道場でのみ審判ができる。子供達が審判のライセンス取得のためにテストを受け、合格すれば審判員の資格が得られることは、柔道への興味を持たせることと、子供たちにとっては、達成感・満足感が味わうことができる優れた制度であると感じた。上級の審判員はランク付けをしているが、子供達の審判にはランク付けをしていない。「上手な審判員を育てることにより、いい選手が育つ」と話していた。

審判員は初段以上(審判員より選手の段位が高い場合でも審判はできる)で、柔道の指導者、公務員(柔道担当)の中から国内で認定された人が審判を務める。

フランスでは「18畳の試合場」「1審制(ジュリーはいる)」「押さえ込みが宣告された後は場外に出ても可」等々、新しいルール作りに向けた取り組みを試行し、今後の審判規定改定の提起に取り組んでいるようで、何事にも熱心に勉強していることに感心した。

日本では柔道を始めるには技から覚えるが、フランスはルールから覚え、ルールの抜け道を良く研究している。哲学者デカルトの「何事も先入観を排除し、すべてを疑う思考」が根底にあるようだ。
9.懇談
粟津先生(87歳)談
粟津先生
(日仏柔道に尽力。1999年にフランス最高の勲章 「レジオン・ドヌール <ナポレオン一世が制定> 」 を受章した)
1年滞在と思って来たが、2年半後に妻をフランスに呼んだ。当時外国で夫婦が生活するのは大変だったが、柔道のお陰でこのように永くフランスで生活できた。柔道を普及させるために嘉納師範が説かれた教育を中心として指導した。言うことと行動が一致しなければ、フランス人はついてこない。道場での指導は2時間程度だが、その後の毎日の生活の中で「自他共栄」の精神が大切であることを実践し示した。
ミシェルさん談
ミシェルさん
(仏柔道連盟の広報など全般を統括する責任者。視察に際し、日仏間の窓口として細部にわたり尽力いただいた)
フランスで柔道がここまで普及したのは、日本の武士道精神にも似ている「尊敬とか道徳」を重んじる騎士道精神の土壌がフランスにあった。それが日本の柔道に見いだせたのではないか。今のフランス柔道の大切なところは、チャンピオンを育てることでもなく、人数を増やすことだけでもない。教育として柔道を位置づける事が第一義だと思っている。柔道を発展させるために、我々は常に指導者のレベルアップに向けた取り組みを念頭に置いている。

カラー柔道着だが、フランスでは多くの人が「柔道は素晴らしいスポーツ」と思っている。柔道はサッカーやテニスのように見るスポーツとして、目を引きつける要素が低い。そこで柔道を広めるためには、テレビ等で視覚に訴える必要があるとの思いで、柔道着のカラー化をルージェ氏が提案した。畳のカラー化を提案したのもフランスである。試合ではカラーの柔道着を着るが、道場での練習は白の柔道着を着るように指導している。
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